義母と私
「あんた、若いんだから、いい人いたら結婚してかまわんよ。私たちのことは、いないと思っていいからね。」
6年前、パパがいなくなって、
義母は私にこう言った。
明るい声でさらっと。
きっと義母の優しさ。
子供をなくしたのだから、
本当は、やりきれない思いでいっぱいだったはず。
私は、そう言われたけれど、
時々電話をしたり、
何度か会ったり、
している。
子どもたちにとっては、おばあちゃんだし、
私にとっても、
大切な人だ。
義母は、東北生まれだから、宮城出身の私を気に入ってくれたのだと、思う。
以前は一日中海に浸かって遊んだり、
どこにいくにも、
一番元気。
ビールを豪快に飲む。
私のペースは遅いらしく、
「そんな遅いとボウフラ湧くで」
と言い放つ。
今年は久しぶりに会いに行った。
2時間くらいのドライブと、観光地巡りをした。
少ししんどそうだったけど、
ニコニコ。
付き合ってくれた。
帰り道、土砂降りの雨がトンネルを抜けると、
ブワッと止んで、
そして目の前が虹になった。
山が虹色に染まるくらいの大きな虹。
「こんなん、初めて見たな。」
一番大声で喜んでいた。
また来るから。
元気でいてよ、おかあさん。
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